クロノスイスの時計の魅力、買取の需要について

クロノスイスの時計の魅力、買取の需要について

「クロノスイス」です。ドイツ発の機械式時計ブランドです。

1983年発足と、老舗のメーカーが多い時計業界としてはかなり新興の勢力ですが、時計の歴史を紐解いたときに存在感はとても大きなものと言えます。

クロノスイスが創設されたとき、業界の最前線はクォーツ式が席巻していました。

クォーツ式とは水晶振動子を用いたもので20世紀の後半に登場しました。

それまで主流だったのは機械式と呼ばれる方法で、こちらはゼンマイ式で手巻きや自巻きによる機械仕掛けの時計となります。

クォーツ式が新しかったのはゼンマイ式に対してステップモーター方式を用いていることでボタン電池や太陽電池などの電源を使っています。

正確に時を刻めることが最大の特長で、誤差は1ヶ月作動して15秒から30秒と言われます。

この正確性により多くの時計メーカーはクォーツ式を取り入れ、機械式時計は人気が低迷していきました。そんな状況のなかで反旗を翻したのがクロノスイスなのです。

創業者のゲルト・R・ラングはミュンヘンに会社をおこし、明確なコンセプトを掲げます。それが「機械式時計」の復活です。

 

レギュレーターの誕生

1988年に発表したレギュレーターはそのコンセプトがよく現れていました。「レギュレーター」という名前は天文学者たちが使っている大きな振り子時計をモデルにしています。

レギュレーターにはケースの中央に分針を配置し、中央上に時間ダイヤル、中央下に秒ダイヤルがそれぞれ置かれています。

これは秒針が分針や時針と重なって見えづらくなることを防止したデザインです。

このことはクロノスイスがクォーツ式時計を採用しないことで正確な時間を諦めたわけではなく、時間の精度を秒針・分針・時針と分けたことで正確に時間を計ることを別の方式で実現したといえます。

ラング氏自身も「私の時計は100年遅れていますが、100年後も止まらずに時を刻み続けるでしょう、それが機械式時計です」という言葉を残しています。

レギュレーターは会社を象徴するアイコンとなり、以降はモデルチェンジを繰り返しながら長い間愛されてきました。

創業25周年と同モデル20周年を記念したレギュレーター24は2008年に発売されます。

文字盤は12時表示から24時表示になったなど変更点がいくつかあり、新モデルは手巻きムーブメントを採用していますが、その構造は1950年代のオールドムーブメントがモデルとなっています。「温故知新」のクロノスイスらしい逸品と言えるでしょう。